需要と今後の展望

更新日 : 2021/04/25

女性の社会進出を促す効果がある

託児所の種類のひとつに「企業内保育所」があります。企業内保育所とは、企業が職員のために設置した保育施設のことです。看護師や介護士など女性が多い職場で多く導入されています。待機児童問題の解消と女性の社会進出を促す効果があるとして、近年導入する企業が増えています。

女性の社会進出を促す効果がある

保育施設の歴史変遷

保育所はもともと、明治時代に託児所としてはじまりました。1948年に「児童福祉法」として法的に制度化されましたが、当時は市町村の措置として、家庭での保育が難しい児童を預かっていただけです。そのため、希望すれば誰でも入所できるものではありませんでした。その後、1998年に「改正児童福祉法」が施行され、措置制度が廃止となり、保護者が保育所を自由に選択できるようになりました。さらに、2001年の改正では、認可外保育施設の都道府県知事への届け出制や国家資格も制定されました。この時、名称も「保母」から「保育士」へと変更されました。この改正は保育所の質の維持・向上にも大きく貢献しています。
近年は女性の社会進出も進み、共働き世帯が増加しています。しかし、その一方で核家族化も進んでおり、一昔前のように大人数で同居するスタイルではなくなりました。その結果、子どもの預け先として保育所の利用率が高まり、利用したくても入れないという待機児童が増えてしまったのです。
この待機児童問題を解消するために、政府は2013年に「待機児童解消加速化プラン」を策定しました。これによって保育所の受け入れ人数が増え、少しずつではありますが待機児童の減少にもつながっています。しかし、これで問題がすべて解決できるわけではありません。まだまだ待機児童は多く、保護者の復職の妨げにもなっています。そこで政府は保育の受け皿を拡大するために、2016年度から企業主導型保育事業を開始し、これが待機児童問題の解消に大きく貢献しています。企業主導型保育事業については以下のサイトを参考にしてください。

現状

企業内保育所の施設数は2016年度時点で4,561施設、入所児童数は7万3,660人となっており、2015年度の4,593施設、入所児童者数7万3,792人と比べると減少していることがわかります。そのうち、61%は病院内に設置されている院内保育所です。これは、看護師は女性の割合が多く人手不足を解消するには子どもがいても働きやすいように環境を整えることが大切だとして取り組んでいるからです。「看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」でも院内保育所の必要性が示されています。

市場動向も確認しよう

託児所市場は補助金や補助金などの公的資金が投入されていることもあり、好調に推移しています。子どもの預かり先の需要が高まっていることもあり、さまざまなニーズに対応するためにも施設の開設や利用児童の数は今後も増加し、スタイルもニーズに合わせて多様化していくことでしょう。

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